祖父の葬儀

私が中学三年生のときに同居していた祖父が亡くなった。
その時に起きた不思議な出来事があって、今もそれが現実だったのか、夢だったのか判然としていない。

祖父のお葬式は菩提寺の大きな本堂で執り行われた。
そこは畳敷きの大きな広間で、正面に祭壇が設けられていたと思うが、その正面が大きな仏壇を連想させるような作りにもなっていたような気もする(なにしろ40年以上も昔の話だ)。
畳敷きの会場なので、当然、親族も参列者も座布団に座ってお経を聞いている。その最中に焼香の盆がまわってきて、正座したまま焼香をしたと記憶する。
お通夜のあとは、親族だけで、その大きな本堂に残り、お線香の番をしたり、お酒を呑んだり、布団を引いて寝たりした。翌日は告別式があって、その後、火葬場へマイクロバスで移動して、骨あげをして、また菩提寺に戻って、繰上げ法要をして、すべて終わって、自宅に戻った。
不思議な出来事はその夜に起こった。
自宅にはお葬式に参列した親戚も来て、精進落としの酒宴が催された。
遠方からの親戚の何人かは、その夜はうちに泊まった。
酒宴でかなりいい感じで酔った祖父の弟もうちの2階に泊まった。
その夜中、祖父の弟が1階にあるトイレに行こうとして、階段から落ちたらしく、そのまま不自然ないびきをかいて寝続けて、翌朝には息を引き取っていたらしい。
その午前中には、祖父の弟の息子さんが車で来て、毛布にくるんでその車に乗せて帰って行ったらしい。
「らしい」というのは、誰も何も教えてくれないからで、自分でそのいびきをかいた祖父の弟を見たような気もするし、毛布にくるまれた祖父の弟を見たような気もしているのに、なんの確信も持てないのだった。

ただ一つ確かな事実は、その後すぐに家の改修をして、その階段がなくなってしまったことだけだ。

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